ニーズを読むことが仕事の肝となる
「ニーズ」とは「相手が求めること、して欲しいと思っていること」を示す言葉ですが、このニーズこそが全ての仕事の始まり。仕事とは、そうやっていろんな業務の中で発生する、たくさんのニーズを読み続けることの連続で、そのニーズを読むことの深みが増せば増すほど、評価が比例し、大きな仕事を任されるようになるのだと思います。
小さなニーズが読めない人は大きなニーズに対応できるだけの察知力、計画力、実行力がないと判断され、いつまで経っても信頼して仕事を任せてもらえない、という悲しい結果になります。
「小さなニーズ」その例題をご紹介
では、ここで小さなニーズにはどんなことがあるのか、その簡単な例題を出してみたいと思います。
【例題】
あなたは今、会議が終わって、会議室から出て、会議室の扉を閉めたところです。そこへ、直属の上司が右手に厚手のファイル、左手にマグカップをもって会議室に向かってきています。さて、この時のあなたのニーズは何でしょうか。
【答え】
答えは「上司の両手がふさがっているので、扉を開ける」でした。こんな小さなことも、気づいて行動する、というのはとても大切なことです。さらに、もしあなたに時間があれば、自分が出る会議でなかったとしても、直属の上司の様子を伺いながら、「なにか会議準備でお手伝いできることはありますか?」と準備の手伝いをしたり、他には、会議室の不具合があればそれを伝えたりする、という回答も考えられます。
今は自分のことは自分で、という風潮があり、こういった気遣いは敬遠されがちですが、気づいていて控えるのと、気づかずにできないのは違います。上司がより快適に、より早く、会議が始められるよう考え行動することで、お客様の前でもスムーズに対応できる力が養われます。
何を求められているのかを察知する
そうやって、大したことがないような小さなニーズでも大切に対応していくことが、仕事ができるようになる近道です。
もし、どんなにPDCA(※PDCAとは、P計画→D実行→C評価→A改善、という仕事に取り組む流れ)をやっても、いつまでたっても認めらない、仕事ができない、と思われるというかたは、この「ニーズを見極める」ということを疎かにしていたり、「そんなどうでもいいようなこと、なんで俺が?私が?」と地味な仕事をやらない傾向にあったります。
また、「気が利かないなぁ」と言われることが多いという人は、「いま相手が何をしてもらったら嬉しいか」ということを考え続ける練習をしていくと評価が変わってくると思います。
結果、いろんなニーズが読めるようになると思います。
会社が求めるニーズ。
上司が求めるニーズ。
お客様が求めるニーズ。
目の前のあらゆる仕事のニーズ。
今、自分が何を求められているのか、ニーズを明確に説明できますか?それを読み違えて進んでいませんか?
ニーズとは「どれだけ相手のWant(して欲しいこと)に気づくことができるか」ということ、とも言えます。
これを繰り返していくと、そのうち「早い!なんでもう準備できてるんだ!」とか「よく気づいたね、さすが」などの声をかけてもらえるようになると思います。そうすれば、それだけで「この人は仕事ができる」という印象に繋がっていきます。
明日は、今日よりも何か1つでも気づけるように、よく状況を観察して、何か1つでも実行し、仕事の質を高めていきたいものです。