「なんて日だッ!」とならないための営業に大切なコツの話

デキる営業は、相手のWant(欲しいもの)を提案する

デキる営業って見た目の感じがイイだけでなく、「いまコレして欲しい、ココを説明して欲しい、違いのメリットを明確にしてくれ商品が欲しくなる」など、お客様の「して欲しいことを与えることに長けている人」だと思います。要するにニーズが読める人。

仕事のトリセツ

目次 1 ニーズを読むことが仕事の肝となる1.1 「小さなニーズ」その例題をご紹介1.2 何を求められているのかを察知す…

営業って大変ですよね。しかも飛込み営業にあたっては「あれ?人ってそんなに冷たく門前払いする生き物だったっけ…?」と思う程、キツイ口調で追い払われたりします。そんな件数が重なっていくと、例の芸人さんではないですが「なんて日だッ!」と言いたくもなります…。笑

一生懸命頑張っているはずの営業…、どうして受け入れてもらえないのでしょうか?あの同期は、あの先輩は、おもしろいほど営業がうまくいっているのに、なぜ自分はうまくいかないんだろう…?そんな理由は以下の説明で明らかになるかもしれません。

営業するときの勘違い!ココを理解していないと頑張り損になる

以前勤めていたオフィスによく飛び込み営業の人が来ていました。みなさん、とても一生懸命売り込まれていました。名刺だけでももらってもらおうと必死な様子でした。そんな「名刺を渡すこと」に一生懸命になっていらっしゃる姿を拝見し、すごく残念だな…と感じていました。

なぜなら、いつの間にか営業の目的が「名刺を配ること」になっているからです。

もちろん、会社からは「名刺を渡して覚えてもらうことが先決だ!」と言われて送り出されているのだとは思います。でも、そんなときお聞きしたいのは、

■その先のゴールを考えていますか?

■ゴールを考えて、訪問したその会社に対して何ができるのか、どう売り込めば惹きつけることができるのか、そういった目的と目標と戦略は明確になっていますか?

ということです。営業獲得できない、そうおっしゃる人ほど、ここが欠如しているのではないかと感じています。

もっとシンプルに言うと「お客様のWant、何に困っていて、何を求めているのか」そこを理解し、行動していますか?ということです。

お客様を獲得できない営業の特徴①~③

ここでは、さらに具体的に、営業獲得が難しいと感じた理由を大きく分けて3つにわけてお話ししたいと思います。

その3つの理由、それは…

①そもそも営業の人の印象自体が良くない
②相手を思いやった気遣いの一言がない
③お客様が興味のあること、困っていることを提案できる準備ができていない

この3つです。

「あ、この人はデキる営業だな」という営業の人はすぐにわかります。印象の良さ、気遣い力、下準備力が全く違うからです。結果、後から「実は成績は一応トップなんです」ということが殆どです。

では、デキる営業の①~③までを早速説明していきたいと思います。

①営業の人の印象自体が良くない

飛込み営業であれば、初めての人に会いに行くため、第一印象が大切なのは言うまでもありません。しかしながら、自分では気づかないうちに社会人として守らなければいけないところを見落としているかもしれません。

以下に営業訪問の際のチェックリストを用意しました。

□ネクタイが曲がっていないか?
□ボタンがほつれていないか?
□襟元・袖口が黒ずんて汚れていないか?
□髪色があまりにも明るすぎないか?
□寝ぐせがついたたまま、ブローもしないままでないか?
□口紅が歯についていたり、マスカラがとれてパンダ目になったりしていないか?
□汗が噴き出たままになっていないか?
□嗜好品やお酒の飲みすぎて臭いがきつくないか?
□鞄や靴に手入れがされておらず汚れたまま、痛みすぎた状態のままになっていないか?
□挨拶の声が小さすぎる、大きすぎることはないか?
□鞄の中がグチャグチャで必要な物がすぐ取り出せない状態でないか?

チェック項目は当たり前のことではありますが、意外にもできていないことがあるかもしれません。身だしなみは明日からでもすぐにできることろなので、気にかけておきたいものです。

②気遣いの一言がない

「気遣い」というと範囲が広くなってしまいますので、ここでは大きく2つに絞ってお伝えしたいと思います。その気遣いの1つは「一言を気遣う」ということ、もう1つは「時間を気遣う」ということです。

まずは「一言を気遣う」ことからご説明すると、飛込み営業というのはアポなしですので、訪問先の相手の状態が分からないままで訪問します。そんなとき、相手が休憩中かもしれない、昼食中かもしれない、ものすごく忙しいかもしれない、わけです。

ですので、そこはその状況に応じた一言があると印象が異なります。例えば「休憩中のところ失礼致します」「昼食中、大変申し訳ございません」「お忙しいところ、恐れ入ります」などです。

この一言の断りがあっても、自分の時間を邪魔されただけで気分を悪くしている人もいます。表情にも十分気をつけて相手を思いやる一言で印象を悪くすることを防ぎたいものです。

また、昼食に関しては、明らかに12:00-13:00といったランチタイムに会社へ訪問したり、17:30-18:30といった終業時刻間際への訪問は、(営業職のかたの中では賛否両論あるかと思いますが)訪問される立場の方からすると嫌われる傾向が強いです。

そんな時間に訪問しておきながら先程の気遣いの一言をかけると、逆に「そう思うなら来るな」と逆上する人もいるかと思いますので、そこは時間帯をある程度は配慮することも必要かと思います。

③お客様が興味のあること、困っていることを提案できる準備ができていない

殆どの営業の人は、そのやり方だけを守ってもお客様獲得には繋がらないであろう「決められたことを決められた通りしている」ことが多いなと感じていました。

その決められていることとは、

■「名刺」を渡すこと
■どの会社にも配る予定であろう「会社商品PRチラシ」を渡すこと
■どこの会社でも話すのだろうなと思う内容のPR文句を伝えるだけ

この3点セットです。

これのどこが問題ある?と思われますか?確かに、この3点セットで数を当たればお客様の獲得はできるのかもしれません。でも、確実に獲得確率が低いのです。なぜなばら「大切なこと」が抜けているからです。

その「大切なこと」とは「営業先のお客様が興味のあること、困っていることを提案できる準備をしていない」ということです。

営業に行く前には、実は入念な準備が必要です。なぜなら、多数のライバルに勝ちにいくわけです。勝てる切り札、口説ける切り札がいるわけです。

お客様を獲得するということは、お客様が「この会社にお願いしたい」と思うこと、すなわち「お客様の役に立てることを提案すること」が獲得のためにすべきことです。

そのお客様の役に立つことが「名刺を配ること」で満たされるとは思えません。なぜなら名刺はあくまで連絡をお知らせするためのツールの1つにしか過ぎないからです。

どこの会社にでも配るPRチラシだけでは響きません。なぜなら、会社によって困っていること、求めていることはぞれぞれ異なるからです。

では、どのようにお役に立てることを準備しておくのか、それは以下のような項目を前もって調べておくことです。

■訪問先のHPを見ておく
■訪問先の社長名だけでも覚えておく
■何をしている会社か調べておく
■どれくらいの規模の会社か調べておく
■HPに中期事業計画が掲載されている会社は目を通しておく
■以上から何に課題があるかを推測してみる

そうやって相手を知ることにより、見えてくるものがあります。そのポイントを押さえたうえで自分の会社の商品がどう役立つかを「その訪問する会社ごとに提案チラシを作る」ことが大切です。

そうすれば、話を聞いてもらえなくてもそのチラシを作った売りを一言で伝えながら、「御社のためだけに提案書を作って参りました。ぜひお目通し下さい」などと言って渡せば、印象はグッと上がります。

この方法で、約75%の確率で商品を売った経験があります。この売込みポイントさえ間違わなければ、逆に相手側から連絡を待つだけ、という営業スタイルにもなります。

また、「うちはそうじゃないんだよね~」と言われてしまい、ポイントを読み違えることもあります。ですが、これもまたチャンスです。

「御社のお役に立てたらと思いますので、ぜひ現在のお困りのところを教えて下さい」とヒヤリングします。そうすれば、次回は「前回頂いておりました宿題が出来上がりましたが、いつお持ち致しましょうか」と言って前回のヒヤリングに対してのアポイントを取ることができます。

営業の大切なコツは、「売り込むこと」ではなく「相手のWant(欲しいこと)を叶えること」です。

せっかく足を運んでご訪問するわけですから、チラシだけではない「あなたが訪れた価値」を生み出したいものです。そんな何かプラスアルファをお客様に届けられるよう、事前に戦略を練ることをお勧めします。

最後に、会社の方針によっては「ただ配るだけでいい、余計なことはするな」と言われることもありますので、そのときは「困ったことはないですか?」とヒヤリングできるようにすれば次に繋がりやすいと思います。ただ、お客様の心を掴む方法としては、お客様のWantを叶えること、ココだけのポイントはおさえておきたい重要なポイントだと思います。